ヘンデル 歌劇「リナルド」記者会見リポート
2020年9月29日に鈴木優人指揮 歌劇≪リナルド≫の記者会見が行われました。
登壇者は本公演のプロデューサー、指揮、チェンバロの鈴木優人、リナルド役の藤木大地、
アルミレーナ役の森麻季、演出の砂川真緒。リモートでアルガンテ役の大西宇宙が出演しました。
初めに鈴木優人から皆さまへご挨拶と、ヘンデル《リナルド》の聴きどころについてお話しました。
鈴木優人:
今回はヘンデルの名作≪リナルド≫を予定通り行えること、大変嬉しく思います。
《リナルド》はBCJでも何度か演奏しており、幼い頃からの思い出深い作品です。
実現にこぎつけられることとなり、関係者の皆様には感謝申し上げます。
今回は2回の上演を予定しております。まずは10月31日(土)の神奈川県立音楽堂、次に11月3日(火・祝)の東京オペラシティコンサートホールです。今回、海外のキャストが入国できず大きなキャスト変更があったこと、残念ではありますが、日本にいる演奏者の総力を挙げた公演となります。
主役にはカウンターテナーの藤木大地さん。ヘンデルの全てのオペラ作品を上演しようと約束した仲です。アルミレーナ役に森麻季さん。アルガンテ役に大西宇宙さん、そして魔法使い役に波多野睦美さんなど素晴らしいキャスティングです。これらのアーティストに出演いただけることは大変嬉しく、そして胸をなでおろす思いです。
今回、ドラマトゥルクにはドイツから菅尾友氏。演出は砂川真緒氏が務めます。
前回の《ポッペアの戴冠》では演奏会形式でしたが、今回はセミステージ形式で上演します。ぜひ多くの皆様にご覧頂きたいと思います。
砂川真緒:
今回、ステージ上には制約があります。大人数のスタッフが稼働されるため、安全を重視した演出を考えています。
歌手、オーケストラなどのエリア分けを徹底し、近い距離の芝居、大きな移動などは予定しません。小道具、照明、衣装などを駆使して、エンターテインメント性を発揮させたいと思います。
また今回は日本人キャストになったことで、当初の外国人キャストとは違う発想で演出しています。リナルドは現代に生きている少年という設定。
こちらがリナルドの衣装デザインです。
スペクタクルかつファンタジー要素の強い《リナルド》を、「エンターテインメント」としてご覧いただきたいです。照明、衣装にも是非ご注目ください。
藤木大地:鈴木優人さんとは20年の仲で、私がカウンターテナーになることを相談したのが、10年前。共演が2020年に実現することは、感慨深いです。リナルド役になったということは責任の重いこと。来日できなかったメンバーや皆さんの思いを背負って上演したい。団体、事務所などの垣根を越えたチームでオペラを上演できること、尊敬する音楽仲間と公演に向けて精進できることが、とても楽しみです。2017年の≪ポッペアの戴冠≫、2020年の≪リナルド≫。この流れを見てわかるように、成熟が進む日本の音楽界にも感謝いたします。
森麻季:≪リナルド≫は、エディンバラ音楽祭でBCJさんと共演しました。私にとって、とても大事な大切な作品です。前回の ≪ポッペアの戴冠≫に続けて今回も出演させていただき、ありがたく思います。コロナ禍での演出がどのようになるのか、また若い出演者との共演も、とても楽しみです。
大西宇宙:アルガンテ役を務めます。長年の念願だったBCJとの共演を嬉しく思います。砂川さんによる新鮮な演出も、とても楽しみです。バロック音楽はジュリアード音楽院時代にマタイ受難曲や、グルックの「アウリスのイフィゲニア」、ヘンデルの「ラダミスト」などに取り組みました。来日アーティストが断念せざるを得ない大変な状況の中アルガンテの代役をさせていただくこと、来日できない仲間の思いを背負って真摯に務めたいと思います。
◇ヘンデル≪リナルド≫は「三大カウンターテナーの祭典」とも呼ばれますが、聞きどころを教えてください。
鈴木優人:
今回、素晴らしいカウンターテナー3名に出演頂きます。エンターテインメントであるオペラをいかに素晴らしくみせるか、その創意工夫にチーム一丸となる。そのプロセスが全員の想いとなって舞台で輝くと思います。カウンターテナーだけでなく、冒頭のヴァイオリンソロなど、オーケストラパートにも輝かしい場面が多くあります。
有名な『私を泣かせてください』などの美しいアリアから、2幕のアルミーダの憤怒のアリア、これはのちにチェンバロの右手パートで爆発するのですが、随所に聴きどころが散りばめられています。
バロックは博物館に展示されているもののように思われがちですが、お客様が予習無しでも楽しめるぐらい、準備を進めていきます。「楽しいオペラ」として多くの方に楽しんでいただきたいと思います。
◇質問:バロックオペラは長く、しばしばそれは「退屈」と思われる一因に。その点をどう思われるか。
鈴木優人 時間の尺をどう感じさせるか、それこそ音楽の見せ所と思います。
◇それでは、歌劇《リナルド》の相関図をご覧ください。
砂川真緒:
ポイントとなるのは「魔女」。人間界の物語に「魔法」をどのように溶け込ませるのかが面白くもあり、難しいところです。
藤木大地:
一言にカウンターテナーといえど、3役によりあらゆる音色で奏でられるというところも聴きどころ。カウンターテナーの深い世界を分かっていただける演目です。
◇発表
『鈴木優人プロデュース/BCJオペラシリーズVol.2 ヘンデル:歌劇「リナルド」』公演は、ソーシャルディスタンス対策として座席の間隔を空けてチケット販売しておりましたが、政府による9月19日からのイベント人数規制の緩和を受け、販売を止めていた座席を追加販売いたします。各公演の受付開始は以下の日時となります。
神奈川県立音楽堂:10月4日(日)10時~ 問合せ:チケットかながわ 0570-015-415
https://www.kanagawa-arts.or.jp/tc/
東京オペラシティ:10月3日(土)10時~ 問合せ:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212
バッハ・コレギウム・ジャパン:10月5日(月)10時~ 問合せ:バッハ・コレギウム・ジャパン チケットセンター 03-5301-0950