《シッラ》欧州での上演動画到着!
ビオンディ&エウローパ・ガランテによる《シッラ》完全舞台版としては世界初演になる音楽堂公演の前に、コンサート形式では欧州各地で上演され絶賛を博しています。その様子を動画でご紹介します。
(2019年秋、ブカレストでのエネスク・フェスティバルのコンサート形式上演から)
第2幕の最後、シッラの妻メテッラのアリア”お助けください。おお、正義の神々よ”
ローマに君臨した独裁者シッラの暴虐から何とか手を尽くして恋人たちや罪なき人々を救いながら、なおもシッラを愛し、改心を信じるシッラの妻メテッラ。
第2幕最後のアリアでは、シッラの友人でもある行政官レピドと、シッラに異を唱えた勇気ある若き騎士クラウディオをシッラの死刑判決から救い出そうと決意する心が歌い上げられます。
清らかな心に炎を秘めて、メテッラ役、スンへ・イムが切々と歌います!
第2幕より、レピドとフラヴィアのデュオ”私はあなたのためだけに”
権力を手にし思い上がったシッラは「俺はやろうと思えば何だってできるのだ」と言い放ち、神殿に祈る人々を蹴散らし、友人のレピドの妻フラヴィアに横恋慕し、彼女を自分のものにするためにレピドに離婚を命じます。復讐を考えるレピドにフラヴィアが寄り添い、二人は「私はあなたのためだけに生きている。愛があなたの腕の中で永遠でありますように」と互いへの愛を誓いあいます。
古楽界きってのスター、ヴィヴィカ・ジュノー(レピド)とロベルタ・インヴェルニッツィ(フラヴィア)が円熟のデュエットを聴かせます!
第1幕より、チェリアのアリア”心に希望を育めるなら”。
シッラは民主派の政敵を倒してローマに君臨した独裁官。美しき乙女チェリアの父のレピドは彼に使える身。
一方若き騎士クラウディオは民主派。シッラとは真っ向から対立する側です。
そんな立場のはざまにあって、クラウディオとチェリアは想い合います。「私の心が希望を抱いたとしても、やはり黙っているのが幸せなはず。名誉を重んじるならそれ以上を望んではだめ」と無理やり自分を納得させようと葛藤するチェリア。乙女の心は揺れ動きます。
この動画では違う歌手ですが、音楽堂ではマリア・イノホサ・モンテネグロが乙女チェリアをを演じます!
2019年9月エネスク・フェスティバルでのエウローパ・ガランテによる『シッラ』演奏会形式上演。スンへ・イム(右)らによる重唱のフィナーレ。